swing,sing PRIMROSE LIVE「PETIT ROSE」オフィシャルレポート

音楽×コミックで紡ぐ青春グラフティプロジェクト『swing,sing』より、八乙女菫役・二ノ宮ゆいさん、百瀬百々役・廣瀬千夏さん、朝比奈日葵役・田口華有さんによる生バンドライブイベント「PRIMROSE LIVE「PETIT ROSE」が、2022年10月2日(日)バトゥール東京で開催された。

1stイベント「What A Wonderful Music World」に次ぐ今回のライブイベント。その特徴のひとつが、カフェプリムローズを切り盛りする最初の3人の演奏を聞きながら食事も楽しむというカフェ形式であることだ。

開場後、ブライダルにも使用されている会場に入ると、そこにはパーティさながらの円卓が広がっていた。全席にケーキやフルーツなどが盛られたプレートが用意されており、いわゆる一般的な声優ライブイベントとはまったく異なる雰囲気を醸し出していた。それゆえに、その光景を見た来場者たちは、「一体どんなライブになるんだ……!?」と期待に胸を膨らませていた。

簡単な注意事項のあと、今回演奏を担当する「二人目のジャイアン」のメンバーが登壇し、さっそく軽快なジャズの生演奏がスタート。ギター、ベース、キーボード、パーカッション、それぞれの音が重なり、少しずつ観客をジャズの世界へ誘っていく。

参加者が演奏に注目していると、ふとした瞬間にざわつきが起こった。なんと、会場後方にある階段から、ドレス姿の二ノ宮ゆいさん、廣瀬千夏さん、田口華有さんが一人ずつ降りてきたのだ。スポットライトに照らされながらステージへ向かう様子は美しく、格好良い。その非日常感に心を奪われ、釘付けとなった観客からは自然と手拍子が起こった。

やがて全員がステージに登壇すると、二ノ宮さんのタイトルコールにより『swing,sing』表題曲である「Harmony」が始まる。この曲のポイントは、軽快なリズムと共に響く、3人それぞれの魅力的な声だ。個々のパートでは自身が演じるキャラクターらしさを表現。そして、サビで3人が合わさったときの声の広がりは鳥肌が立つほど素晴らしい。まさに3人のハーモニーが、『swing,sing』の世界観を作っているのだ。ジャズを知らない方でも、その面白さ、楽しみ方を優しく教えてくれるような、まさに開幕、そして表題としてふさわしい1曲といえる。

会場が盛り上がってきたところで、イベントは最初のトークパートへ。簡単な自己紹介のあと、「Harmony」についての感想や今回のライブについて語られた。

前回の1stイベントでも「Harmony」は披露されたが、3人編成でのライブは今回が初。さらに楽器編成も異なるため、まったく違う曲になっていた。そのことについて二ノ宮さんは、「この編成がすごくオシャレ」とコメント。”その日しかできない音楽”について語られた。

ちなみに1stイベント時点では、ストーリーがない状態でスタートしていたため、実は3人とも手探り状態だったことが判明。しかし、『swing,sing』の漫画が公開され、それぞれのキャラクターの背景やカフェ「プリムローズ」を始めるキッカケなどが明らかになることで、徐々に世界観が確立。さらに今回のイベント前には3人で決起会を行うなどで、自身のキャラクター、そして仲間との絆を深めた。そのかいあって、田口さんは「より曲に深みが出たと思います」とコメントしていた。

ひとしきり盛り上がったあとは、ソロパートへ移行。ここでは本作オリジナルと有名楽曲のカバー、2曲ずつ各ソロで披露された。

トップを務めたのは二ノ宮さん。オリジナル楽曲「夢の中へ」の演奏始まると、先程までのニコニコしていた表情から一転、大人な顔つきに。この変化した瞬間に八乙女菫が降りてきたのだろう。そして、しっとりとしたピアノの音色に乗せられた二ノ宮さんの声は心地よく、まるでまどろみの中へ誘われるようだった。

続くカバー曲は、TVアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』のEDテーマなどで有名な「Fly Me To The Moon」。パーカッションが刻むリズムに乗せて歌われた曲は、知っているのに聴いたことがない、二ノ宮さんならではの楽曲に仕上がっていた。ちなみに、歌詞の最後にある「I love… you」で少し微笑む二ノ宮さんに、ドキッとした方も多いのではないだろうか。

二ノ宮さんの演奏後は、廣瀬さんにバトンタッチ。オリジナル楽曲「アロマ」が始まると、その可愛らしい曲調、そして廣瀬さんの甘い声が合わさり、会場は一気にあま~いに包まれた。その甘さを表現するなら、まるでふわふわのケーキにたっぷりのはちみつをかけたような感じだろうか。もちろん、ただ甘いだけでなく、演奏が優しい苦味のあるコーヒーのようで、カフェ「プリムローズ」の優しい雰囲気が感じられた。

カバー曲では、「What a Wonderful World(この素晴らしき世界)」を披露。世界中で流れ続ける曲で、日本でもCM曲として使われるなど、誰もが一度は耳にしたことある名曲だ。この曲を廣瀬さんが歌うと、もちろん可愛らしいのだが、美しい高音域、その奥にある声の伸びにどこか大人な部分が見え隠れする。「アロマ」のときと廣瀬さんの表情も異なり、可愛いだけじゃない「百瀬百々」の魅力に心惹かれた。

ソロパート最後を務めたのは田口さん。1stライブでも、そのアップテンポな曲で盛り上がりを見せた「SweetButter」が始まると、観客から手拍子が発生。この曲は、ピアノとドラムのみのシンプルな構成ながら、二ノ宮さんや廣瀬さんとは異なるジャズの面白さが感じられる曲に仕上がっている。なにより、楽しそうに歌う田口さんにつられて、こちらも思わず笑顔になるのだ。

続くカバー曲は「Lullaby of Birdland(バードランドの子守唄)」。こちらの曲の聞きどころは、なんといっても田口さんによるスキャットだ。メロディに合わせて「ダバダバ」「ドゥビドゥビ」などの意味のない音で歌うもので、実際に歌うのはかなり難しい。高音、低音を繰り返すことで、まるで波のように押し寄せる歌は、見事の一言。演奏中も大きな拍手が巻き起こっていた。ちなみに、田口さんはスキャットを習得するため、2週間みっちり練習したとのこと。

各ソロパートが終わると、再びトークパートへ。

「ジャズの良さとは?」というテーマでは、その場にある楽器や会場、声のテンションなどによって変わる、同じ演奏には絶対にならないところが良いと廣瀬さん。二ノ宮さんも同じ感想で、今回のライブのような生音と声で音楽を作る場合は、リハーサルを含めて同じ音楽がひとつもないと語った。一方、田口さんは、本プロジェクトが始動してからジャズを学び始め、60年代から始まり、70、80年代の名曲を聴き、その自由に楽しく歌っている様子に感銘を受けたという。そして「自由を表現するのがジャズの良さかな」と語っていた。

「今後の挑戦したいこと」については、3人共もっと幅広くいろんな曲に挑戦したいとコメント。アニメなどで聞き馴染みのある楽曲が、今後披露されることに期待できそうだ。ちなみに、田口さんは今回のようなカフェ形式をさらに発展させて、ジャズを歌いながら観客席の間を歩くディナーショー風をやりたいと発言。この提案に2人も賛同し、歌いながら観客の頭をぽんぽんして回りたいと語り、会場から笑いが起こっていた。

「プリムローズとしてこんなライブをしてみたい」というテーマになると、原作の舞台である軽井沢や、カフェと似たような場所などが挙げられ、大盛り上がり。特に廣瀬さんが提案した、カフェ風の場所で何日かに分けて行い、時間帯によって3人が歌ったり、演奏したりする、出入り自由という前代未聞のイベントが語られていた。いつか実現できたなら、とても面白くなりそうだ。

いよいよイベントもラストへ。なんと初披露となるデュエット楽曲も発表された。

まず披露されたのは、二ノ宮さんと廣瀬さんによるデュエット曲「旅人」。この曲はハモリのパートが入れ替わり立ち替わる、ふたりの掛け合いが魅力的だった。その様子はまるで、八乙女菫と百瀬百々役が寄り添いながら、ときに引っ張り、引っ張られたりしながら進んでいくよう。色んな感情を乗せて、ふたりで地図を作っていく情景が思い浮かぶ、そんな菫と百々の関係性がよく現れた曲に仕上がっていた。ラストの美しいハモリは鳥肌ものなので、聞く際はぜひ注目を。

デュエット2曲目を担当したのは、二ノ宮さん&田口さん。ゆったりとした曲調で流れる「まどろみ」は、そのタイトル通り眠る前のまどろんだ状態をイメージさせる曲に仕上がっていた。特にふたりが何度も掛け合い、美しいハモリで締めるサビ部分は必聴。まるでゆりかごで揺らされ夢の中へ誘われているようで、独特の心地よさを感じられた。ちなみに、曲後のコメントではリハーサルで何度も失敗し、お互いに謝っていたと告白。それだけ難易度の高い楽曲だったが、本番では一発で成功させていた。

そしてフィナーレを飾ったのは、3人による「君のメロディ」。それぞれのキャラクター性が色濃く表現されており、二ノ宮さんがメインなら廣瀬さんと田口さんが支えたり、ときにはキャラ同士が掛け合ったりと、菫・百々・日葵の3人だから完成する曲であること。今後の成長、物語の行方、未来。これらを期待せずにはいられない、まさにプリムローズを代表する1曲といえる。

3人は今回のイベントで最も大きな手拍子を受けながら見事に歌い上げ、PRIMROSE LIVE「PETIT ROSE」は大団円を向かえた。

本作のライブイベントは今後も展開していく。ジャズが好きな方はもちろん、未経験の方も楽しめる内容になっているので、その日、その場所でしか聞けない音楽を、ぜひ体験してほしい。

■作品情報

<作品タイトル>
「swing,sing」

<概要>
Cafe×音楽×青春
漫画・イラストと安らぎの音楽、歌声で紡がれる
新感覚キャラクタープロジェクト
多くの音楽×キャラクター×声優プロジェクトが羽ばたいていく現代
様々なところで熱狂に溢れるドラマが、音楽が、ライブが生まれている。
しかし──
「愉しみ方はそれだけなのだろうか?」
音楽を真に愉しむための、プロジェクト──
さりげない日常で、ゆったりとしたい瞬間に
──忙しい現代に生きる、自分にとって特別な日に。
そんな毎日を豊かにするためのキャラクタープロジェクト
それが、swing,singなのです。

<ストーリー>
忙しさ、喧騒、都会らしさ──
ある日、都会の音楽学校に通っていた八乙女 菫(やおとめ すみれ)は
そんな日常から逃避するため転校を決意した。
向かった先は長野県、別荘やリゾートが立ち並ぶある町に
菫の下宿先、カフェ「プリムローズ」があった。
鈍く楽器が輝く静かな空間、仄かに香る珈琲の香り。
──しかし、そんなゆったりとした雰囲気とは裏腹に
カフェには倒産の危機が訪れていた。
「菫ちゃん、助けてください──」
小さな声で菫に助けを求めたのは
一人でカフェを切り盛りする少女、百瀬 百々(ももせ もも)。
前オーナー、百々の祖父が遺した楽器を手に
ゆったりと、時に気まぐれな仲間と音楽が紡ぐ
カフェ再建を目指す青春グラフィティ──。

■スタッフ
原案・原作:伊澄アキ
キャラクターデザイン:東山エイト
音楽:早川博隆(Rebrast)
漫画:トリヤロウ
プロデュース:ISARIBI

■キャスト
八乙女 菫:二ノ宮ゆい
百瀬百々:廣瀬千夏
朝比奈日葵:田口華有
天羽友梨:大橋彩香
風祭瑠璃:田所あずさ
瀬戸明日葉:Machico
風祭朱美:朝ノ瑠璃

■SNS
『swing,sing』公式サイト
https://swingsing.net/


『swing,sing』公式Twitter
@swing_sing_JP

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